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サックスの豆知識
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常時浸水式リード管理法

リードって言うのは、サックスなどのマウスピースの所に取り付けるヘラみたいなやつのことですな。

 

竹では無くて、葦(あし)という素材ですよ。 葦のことは、どうやら外来語でリードと言うそうですな。

 

まずこのリードが高速で振動して音になるので、まあ言ってみれば一番大事な部分です。

 

しかし、元々植物ですから水分・湿度によってかなり状態が変化しますから、吹きやすい時、吹きにくい時‥まあ色々とある訳です。

一度湿ったものが次に乾く時の、その乾き方が特に問題!

 

ビロビロと先端が波打ったように乾いてしまうと、こりゃもう吹き難いったらありゃしないので、なるべくそう成ら無いように、普通は皆さんリードケースなどに仕舞う訳ですね。

しかし実際に取り出して吹いてみると、前回吹いた時とかなり吹き心地やコンディションが違ってたりする訳です。

しばらく吹き続けてリードが水分を含んで来ると、前回の吹き心地に近くなって来たりする、そんな経験を皆さんなさっているので「だったらこの際、本番前は水に浸けておこう。」とか、そう言う工夫は結構されている方があるのでは無いかと思います。

 

ところがですねえ‥10分やそこら水に浸けたからと言って、まんべん無く均等に水が浸透しているか?と言うとそうではありません。皿に水を入れてやってみるとよく解りますが、あまり水を吸っていないリードはプカプカ浮いていたりします。

 

これをそのまま数日放置していると、リードは水に沈むってことが分かります。色も茶色が濃くなり、飽和状態まで水を吸っているんだなってことが見ていて判る感じです。

この状態に成ると、繊維・細胞がパンパンに張っているので、ビロビロに波打つような事は無く、むしろリードケースに仕舞ってあるリード以上に真っ直ぐな状態で、しかも大変しなやかなのです。

 

考えてみると、葦はもともと水辺の植物ですから、水には強いです。むしろ何度も乾燥させるから細胞がいびつに成り、しなやかなしなりを見せ無くなるのではないかと思います。

 

この事に気づいて以来、私はリードを水に浸けっぱなしにしておく事に決めました。演奏する時だけ水から引き上げ、吹き終わったら軽く洗って、後は水に浸けっぱなしです。

 

生徒さん:「そんな事したら、カビが生えませんか?」

 

生えます!(笑) 水だけだったら、カビが生えます。だから秘伝のある物を水に混ぜて清潔に保つようにしています。

この『常時浸水式リード管理法』にしてから、リードの寿命が格段に伸びました! よく『ハズレリード』なんて事を安易に言ってしまう方が居ますが、実際はちょっと硬さが他と違うだけとか、マウスピースとの相性が悪いだけのケースも多々ありますので、サンドペーパーなどで調整してやってから水をたっぷりと含ませてやると、吹き易いリードに生まれ変わる事があります。

 

たいへん、経済的ですよ❤️

 

今やリードは貴重な天然資源です!消耗品とは言え、貴重なんですよ。

だからよく判らないのに「ハズレリード」と決めつけて捨てる輩が増えると、サックス界のみならずあらゆるリード楽器奏者に迷惑が及びますので、資源は大切にしたいですね。

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